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2016年 香港・マカオ視察
2016年10月11日〜14日
香港・マカオ
株式会社勝島経営研究所ビジネスカツシマ
引率者 勝島一真 金子剛
  

1.目的
(1) 香港・マカオの文化、市場や経済動向などを肌で感じてくる。
(2) 現地の企業やお店、香港へ進出している日本企業との交流。

2.香港・マカオ概要

香港 概要
ショッピングやグルメ、金融の街として名高い中国の特別行政区。近代的な超高層ビルが建ち並ぶビジネス街から下町まで、エネルギッシュな魅力にあふれています。

【正式名】中華人民共和国香港特別行政区
 Hong Kong Special Administrative Region of the People's Republic of China
【人口】約710万人
【面積】約1,103km2
【人種・民族】漢民族(約95%)
【宗教】仏教、道教、キリスト教など
【言語】広東語、英語、北京語など
【特徴】
中華人民共和国の南部にある特別行政区(一国二制度)であり、同じ特別行政区のマカオからは南西に70km離れている。
150年以上のイギリス植民地の歴史で世界に知られ、自由貿易地域であり、1,104 km2 (426 sq mi)の面積に700万人を超える人口を有する世界有数の人口密集地域である。金融センターランキングにおいては、ロンドン、ニューヨークに次ぐ世界3位と評価された。

マカオ 概要
中国の特別行政区。ラスベガスを凌ぐといわれるカジノと、ポルトガル植民地時代の歴史的建造物を中心とする世界文化遺産がいざなうエキゾチックな街。

【正式名】中華人民共和国澳門特別行政区
 Macau Special Administrative Region of the People's Republic of China
【人口】約56.6万人
【面積】約29.2km2
【人種・民族】漢民族(約94%)
【宗教】仏教、道教、キリスト教など
【言語】広東語、ポルトガル語

3.視察先
◆ニッポン・ウエルネス・リミテッド (日本人で設立された銀行)
◆KAJIMA OVERSEAS ASIA PTE LTD.(鹿島建設鰹o資会社)
◆大黒屋商店有限公司(妙高 拒蜊負ョ商店 出資会社)
◆香港角川有限公司(角川書店 香港支店)
◆ヴェネチアン マカオ リゾート ホテル
◆HAPPY BALLEY(香港競馬)
★現地経営者との交流会

◆ ニッポン・ウエルネス・リミテッド (銀行)
 日本人が開設した香港の銀行「ニッポン・ウェルネス・リミテッド」に訪問しました。高級ホテルペニンシュラホテルに隣接したオフィスタワーの16階にオフィスがあり、そこから見渡す香港島は誰もがあこがれる格別な景色です。株主は新生銀行50%、マネックス証券9.96%等で構成されており、最低預金残高50万香港ドル以上(日本円約700万円)の富裕層を対象にした香港政府から認可を受けた銀行です。

 創設者の中島努CEO自ら香港の歴史と会社設立に至る経緯、香港経済や外から見る日本についてお話を聞きました。「資産運用について日本は、明治時代前に戻っている」(中島CEO)。 極端に一言で言えば、投資等に関して世界は日本をあまり相手にしていないということです。 政府・日銀が金利等いろいろと介入するため投資先として旨みがなく、成長率も低迷し多大な貯蓄残高を増やそうともしない保守的な国民性が外国からするととてもはがゆく写っているようです。

 ニッポンウエルネス銀行の特徴は何といっても日本語で日本にはない様々なサービスの提供を受けることができるということです。香港での口座開設から基本的に長期の分散投資をスタンスとした資産運用アドバイスを受ける、そんなコンシェルジュのような役割を果たしています。

 

◆ KAJIMA OVERSEAS ASIA PTE LTD.
      〜カジマ オーバーシーズ アジア〜
 香港島のセントラル地区にある鹿島建設株式会社 香港に訪問しました。香港では建設自体は行っておらず、所有不動産の管理を行っているとの事でした。オフィスのあるアライド鹿島オフィスビルは今年3月で開業25年を迎え、東京で言えば丸の内のような場所にありますが、1等地ではないようです。テナントは2〜3年で契約更新し、坪2万円で区切って賃貸することもあり、固定資産税は比較的安く、テナント負担が慣習との事でした。鹿島がテナントとして貸している隣接のノボテルセンチュリーホテルも今年で25周年となり、さらに現在アライド鹿島オフィスビルの隣に高級デザイナーズホテルが完成する予定となって建設がはじまっておりました。

 香港では、ビル自体は自社所有となりますが、土地は政府の所有となっており、借主が賃借権を持っています。新しいビルの建設に際しては、この賃借権が高額で売買されることもあります。香港での不動産投資利回りは日本の4〜7%に比べ2%台が普通となっているようです。

 またビル内は誰でも入れてしまうらしく、トイレには必ず鍵がつけられていることが特徴的でした。香港返還から50年後の2047年までは借地として現行制度のまま動きますが、 それ以降は中国政府次第というのが不安定要素となっています。隣接するノボテルホテルも見学させていただきました。部屋にはソニー製の大きなテレビが置かれており、オーナのこだわりによってどうしても大画面のソニー製を使用しているとの事でした。

 部屋もグレードによって高級感を演出し、シックな壁紙等も使われていました。
レストラン・スポーツジム・プール等いずれも高級感あふれるホテルでした。

 

◆ 大黒屋商店有限公司
 物流関係が多く集まるエリアにある大黒屋商店有限公司を視察させていただきました。新潟のお米を、香港を拠点としてアジアに販売されていました。上越ではちょうど新米が採れたばかりの時期ですのでまだ香港には入荷されていませんでしたが、12月頃に新米が入る予定との事でした。そのため事務所に併設された冷蔵保管庫には普段よりも少ない数のお米が保管されていました。

 上越からは20フィートの冷蔵コンテナで税関手続きを含めて約10日間で香港に到着するようです。コンテナの中はお米がぎっしりという訳ではなく、ある程度の余裕があるそうですので他の食品等も運ばれる可能性はあります。最近中国の検疫が強化され、今まで香港から中国にかなり出荷していたものが、まったく販売できない状態となってしまったようです。というのも中国に出荷するにはお米を全部菌等のない状態にしなければならず、その作業には莫大な費用をかけなければならないからです。そのため以前のようにスムーズに行かなくなってしまったことが理由でした。

 最近の円高により香港ドルも影響を受け、仕入値が上昇し、また、タイ・ベトナム等の米の値段が3分の1くらいであるため非常に競争が激しくなっていました。

 いくらおいしいとは言っても3倍のお米はさすがに香港でも購入する人は限られるようです。様々な外的要因にさらされながらも香港で上越のお米販売に奮闘努力されていました。

 

◆ 香港角川有限公司
 角川文庫の香港支局を訪問しました。香港支局長のルイスさんは以前に妙高市を取材し記事として取り上げた関係もあり、最近も妙高市長がこちらに表敬訪問に来たそうです。香港ではここ数年日本ブームが巻き起っており、2014年には92万人、2015年には150万人と毎年訪日する人が増加しているそうです。
 訪日はリピーターが多く、年に3回という人もめずらしくないようです。そのため、発行している雑誌HKW(ホンコンウォーカー)の内容も以前は東京・大阪を中心に掲載していたものが、最近では地方に注目が集まっているとの事でした。ルイスさん自身も日本酒が大好きで全国の酒蔵を回って紹介するなど私達日本人でもよく知らないことまで本当に詳しく話されていました。

 取材もご自身で写真を撮って掲載し、妙高の紅葉等がとてもきれいに紹介されていました。今後は鳥取に取材に行くとの事で私達も驚かされました。ただやはり高田の桜等はご存知なく、本当に上越のPRが出来ていないことを痛感しました。

◆ ベネチアン 〜マカオIR 統合型リゾート〜
 香港から高速船ターボジェットで約1時間のマカオへ行きました。今回視察した ザ・ヴェネチアン・マカオは世界最大級のIR施設です。建設費用の想像がつかない程ゴージャスな施設で、エントランスを始め、その中はまるでギリシャの宮殿を思わせるような造りになっています。壁や天上には中世ヨーロッパが描かれ富裕層を対象にしたパラダイスという印象です。

 メインは1階フロアのカジノですが、当初想像していたちょっとダークなイメージとは異なり、高級で明るく巨大なゲームスポットという感じがしました。
 客層は富裕層ばかりではなく、一般観光客も世界各国から来ており、2階の高級ブランドショップ街や3階のマーケットフロアなどホテルに直結してとても数時間では回り切れない程のキャパシティでした。

 周辺にも続々と新しいIRが出来ており、ラスベガスのようにエンターテイメント性のある巨大な統合型リゾートとして日本でも今後検討されることと思います。
 今回は昼間の視察となりましたが、夜のマカオは絶対的に夜景も含めよりもっとエキサイティングであろうと感じました。


◆ HAPPY BALLEY 〜香港競馬場〜
 香港の閑静な高級住宅街にあるハッピーバレイ競馬場。秋から毎週水曜日に開催されていたナイト競馬がおこなわれております。高層ビルに囲まれためずらしい競馬場でメンバーと観光客のみが入れるバイキングフロアでした。飲み放題・食べ放題のテーブル席で多くの外国人がイギリス発祥の競馬を楽しんでいました。
 各国の料理を食べながらゆったり楽しむナイト競馬はまさにちょっと貴族になった気分が味わえます。これで約1万円はコスト的にもお得感があります(さらに高級なフロアや低料金の一般席もあります)。
 フロアはもちろん香港の夜景も存分に楽しめるナイトスポットとして競馬に興味がない人でも一見の価値があると思いました。

   

★ 現地経営者との交流会
 香港在住の日本人経営者の皆様と交流会を行ないました。
 食品卸をしている社長さんによれば、香港で会社を設立することは極端に難しいことではないそうですが、輸入量が申請と違ったりすると手続きが出来ない等の役所との関係に相当苦労があったようです。日本でも同じですが、香港で売るには品質が良いものだけではダメでやはり値段が相応のものでないと売れないとの事でした。

 日本を紹介するフリーペーパーを発行している社長さんも新潟についてはお米が美味しいということくらいしか認識はなく、上越は何も知らないというのが実情です。香港人が年3回日本を訪れていると言われているのに上越はほとんど来ないという現実があります。

 お菓子関係の会社を経営する方は、従業員についての違いを話されていました。
香港人は自分を我慢してまで会社には勤めないようですぐ辞めてしまうため今年だけでも数百人の面接をしたそうです。賃金でも日本とそれ程変わらないような感じがしました。

 交流会の中で現地の生の情報を聞くことができ大変有意義な時間を過ごすことができました。

 

4.視察を終えて所感

香港人を一言で言い表すと、

1 香港人にとって大切なのはお金
嫌な印象ではなく、香港人自身も認めている事実で、例えば、購入したばかりの素敵なバッグをデザインよりも感想を述べるよりも前に、まずは「いくらだった?」という質問を投げかけられます。値段を述べると、「その値段なら同じような物でどこそこではもっと安い」とか、まずはその値段を基準に話が進められたりするのです。何を買ったかではなくて、いかにお得なお買い物をしたか、それが香港人にとっては大切なことのようです。

2 助け合いの文化
 お金が一番大切だと言いつつも、香港人は、とにかくいつも「助け合う」思いやりの心を持っている人たちでもあります。人口密度が高く、土地の狭い香港では、家族や友人同士、またご近所同士、お互いの助け無しには生きていかれない街なのです。今回の視察も、香港在住の友人に企画を相談すると、あっという間に、その友達からまたその友達と、サポートして頂きました。困った人がいるとすぐに行動に移し、思いやりの手を差し伸べてくれるのが香港人なのです。

3 香港人は外国人に慣れている
 長い間イギリスの植民地だったこともあり、香港人は外国人慣れしているようです。それは、統治されている国の人に対して従わなければならないという強迫的な慣れと、またそれに対する反発もあるように思われます。また、中国に返還された今、自分たちを決して「中国人」と言い表すことをせず、自分たちは「中国人とは違う香港人だ」と主張します。歴史的に、常に外国と関わらずには生存できない国であるという事実から、外国と仲良くしつつ、香港という立場を崩さずにいなければならないという意識があるのでしょう。そのため、政治的な問題などが関わらない限り、香港人は外国人にとてもフレンドリーな態度で関わり、興味を持ち、受け入れようとする姿勢を持っていると思います。
 香港には様々な人種の外国人が混在しており、アジアの中のニューヨークといった印象をうけました。その中で行われている規制緩和やアジアの中での立地面を考えたとき、香港はビジネスにおける様々な可能性を感じる国でありました。